エラグ酸の効果とは

エラグ酸の効果とは

エラグ酸の効果とは

エラグ酸の効果とは
エラグ酸の効果とは

体脂肪は生きていくうえで必要不可欠なものです。でも、それが増えすぎたり、つくべき場所を間違えると、健康のバランスは崩れていきます。そもそも脂肪には大切な役割があるのですが、その役割を十分に機能させるのも、私たちの生活習慣にかかっています。
でも、そんな悩ましい兼ね合いを、脂肪との関わりのなかで絶妙な働きで支え、身体を健康な方向へと導いてくれるのが「エラグ酸」です。

エラグ酸にはどのような効果があると考えられているのでしょうか?エラグ酸の作用や仕組みをみていきましょう。

目次

エラグ酸と内臓脂肪との関係その1

エラグ酸は内臓脂肪と深い関係にありますが、エラグ酸の作用をご紹介する前に、脂肪細胞が増えるメカニズム、脂肪細胞が増えると起こることについて見ていきましょう。

脂肪細胞は、アディポサイトカインと呼ぶ生理活性物質を分泌する巨大な内分泌(ホルモン)産生臓器であることがわかり、そのホルモンには「善玉」「悪玉」があります。
標準体重時の脂肪細胞では善玉ホルモンが分泌され、肥満やさらに肥満が進んだときには悪玉は分泌され、善玉ホルモンの分泌を減らしてしまいます。内臓脂肪は生理活性度が高いため、増えすぎると脂肪細胞からさまざまな生理活性物質を分泌し、生活習慣病などさまざまな疾病につながる可能性があります。
この内臓脂肪が危険である理由のひとつに、脂肪細胞から分泌される生理活性物質が、「アディポネクチン」という善玉ホルモンの働きを阻害することにあります。

●「アディポネクチン」とは?
アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌される生理活性物質のひとつ。内臓脂肪細胞で作られる善玉物質だとされています。
アディポネクチンの働きはさまざまで、体内で糖の代謝をスムーズにし、血管を広げ、細胞壁を修復するなど、健康を保つ上でとても重要な役割を果たしています。
しかし、いったん肥大してしまった脂肪細胞からは、このアディポネクチンの分泌量が減少します。すると、こんどは悪玉ホルモンが分泌されるようになり、血管の壁に炎症を起こしてしまうことになります。
このように、内臓脂肪が増えすぎると、体内で有用な働きをしてくれる善玉ホルモン「アディポネクチン」の働きを阻害する結果となってしまうのです。

エラグ酸と内臓脂肪との関係その2

増えすぎた内臓脂肪が危険な理由にはもうひとつあります。それは、脂肪細胞から分泌されるもうひとつの善玉ホルモン「レプチン」の働きを阻害してしまうことです。

●「レプチン」とは?
レプチンは、脂肪細胞の多くを占める中性脂肪の分解を促し、骨格筋内でエネルギー源として使える「グルコース」や「脂肪酸」などの酸化分解を促進させる働きを担います。
さらに、レプチンの有名な働きがもうひとつ。食事をして十分なエネルギーを得られたときに、「もう十分ですよ」と脳に伝える役割があります。
そう、レプチンは、別名「満腹中枢刺激ホルモン」、通称「満腹ホルモン」なのです。そしてこのレプチンの働きを活性化させるのが、前述の「アディポネクチン」です。
つまり、内臓脂肪が増えすぎると、アディポネクチンの分泌量が減り、結果的にレプチンの「満腹ですよ!」というメッセージも脳に正確に伝わりづらくなってしまうということ。こうなると、いつまでたっても満腹感を得られず、摂取エネルギーばかりが増え、脂肪が分解されず、エネルギー貯蔵庫には脂肪細胞が溜め込まれていき、肥満につながるという流れが起こってしまいます。

エラグ酸に期待される健康効果とは?

さて、ここでエラグ酸の登場です。エラグ酸の効果とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
これまで解説してきたように、標準体重時の脂肪細胞からは善玉ホルモンが分泌されており、生理活性物質としての働きを行なっています。
この生理活性物質、善玉ホルモンである「アディポネクチン」の分泌量を、「エラグ酸」は、その介入によって、約2.6倍増加させるということが、さまざまな研究や試験から報告されているのです。
これは同時に、満腹ホルモンである「レプチン」の働きを活性化することにもつながることから、エラグ酸を摂取すると、食欲が抑制されるというデータも明らかにされています。
こうした結果から、エラグ酸に期待されるさまざまな効果を紹介しましょう。

エラグ酸に期待される健康効果1:脂肪細胞の肥大化の抑制

<エラグ酸に期待される健康効果1:脂肪細胞の肥大化の抑制>
エラグ酸は、脂肪細胞の肥大化、分化を担う転写因子であるPPARγの発現を抑制させる作用が報告されているため、肥満細胞の正常化、正常な働きにすることが期待されています。

<エラグ酸に期待される健康効果2:食欲の正常化と体重管理>
レプチンにCRPが作用することにより、レプチンの満腹指令が届きにくくなることがありますが、エラグ酸を摂取すると、CRPが低下し、レプチンとの複合体ができるのを抑制するため、脂肪の分解が促進され、レプチンの信号が脳に伝わることを阻害しません。

エラグ酸に期待される健康効果2:食欲の正常化と体重管理

<エラグ酸に期待される健康効果3:抗メタボリックシンドローム>
エラグ酸にはアディポネクチンの血中濃度を約2.6倍にする働きがあるため、レプチンをしっかり脳に送り、中性脂肪の分解を促し、インスリンの働きを高め、血管拡張作用があります。

<エラグ酸に期待される健康効果4:中性脂肪に変換する酵素の働きを阻害>
エラグ酸は、脂肪細胞内で血糖分を中性脂肪に変換し、蓄積する働きのある酵素として知られるグリセロール-3-リン酸脱水素酵素(GPDH)を阻害します。つまり中性脂肪に変換されにくくなることから、健康効果が期待されています。

エラグ酸とサーチュイン遺伝子との関係

ここまではエラグ酸が脂肪細胞の善玉ホルモンを活性化させることを紹介してきました。しかし、さらにごく最近、エラグ酸のもうひとつの期待すべき機能がわかってきました。それは『エラグ酸はサーチュイン遺伝子を活性化させる』というニュースです。

サーチュイン遺伝子とは、別名「長寿遺伝子」。
そして近年、長年にわたりサーチュイン遺伝子に働きかける成分を調べていた研究者によって、エラグ酸は、このサーチュインを活性化させることが発見されました。これによって、さらにエラグ酸の可能性が広がりつつあるのです。このように、エラグ酸にはまだまだ未知の働きが隠されているようです。私たちの健康にさまざまな嬉しい作用をもたらしてくれるエラグ酸に、これからもどんどん期待していきましょう。

この記事のまとめ『エラグ酸の効果とは?』

アディポネクチンの分泌量を約2.6倍増加させるエラグ酸。エラグ酸を摂取すると食欲が抑制されるというデータは、ダイエット成功を望む人たちにとっては大きな光明です。実際に、アメリカで実施されたヒト臨床試験では、プラセボ群と比べると、摂取群の1日のエネルギー摂取量は、平均で約400kcal少なかったといいます。つまりエラグ酸が、満腹中枢をきちんと機能させているということに他なりません。
さらに、エラグ酸とサーチュイン遺伝子との関係にも期待が高まります。もともと老化を抑制する遺伝子として注目を浴びていただけに、それをエラグ酸によって活性化させることができるというニュースは、身近な食べ物からエイジングケアができるということ。
エラグ酸はポリフェノールの一種であり、食品に含まれています。美味しく食べて美しく健康になれるなんて、言うことなしの朗報だと思いませんか?また、エラグ酸は、継続的に摂取することが大切です。サプリメントなども上手に活用して、インナーケアをしていきましょう。

【監修】管理栄養士 清水加奈子

管理栄養士。国際中医薬膳師・国際中医師・調理師
多数のメディアでダイエットレシピの提案や栄養専門調理実習講師、栄養関連の監修を行う。著書『太らない食べ方 新装版』『どっちが太らない』/毎日燃えメシ (エイ出版)他。

管理栄養士 清水加奈子

管理栄養士 清水加奈子

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