「ビタミンC」と「レチノール」の美肌効果は?塗るvs飲むの違いは?

「ビタミンC」と「レチノール」の美肌効果は?塗るvs飲むの違いは?

「ビタミンC」と「レチノール」の美肌
効果は?塗るvs飲むの違いは?

「ビタミンC」と「レチノール」の美肌効果は?塗るvs飲むの違いは?
「ビタミンC」と「レチノール」の美肌効果は?塗るvs飲むの違いは?

美容や健康に関心がある方なら、一度は「ビタミンC」や「レチノール(ビタミンA)」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。

どちらも「美肌のために大切な栄養素」として知られてきましたが、実は摂り方によってその働き方が少しずつ異なるのをご存じでしょうか。

スキンケアの世界では「朝はビタミンC、夜はレチノール」という使い分けが推奨されることが多くあります。レチノールは光に弱い性質があるため日焼け止めをしっかり塗るなどの対策をとるか、夜にのみ使用するなど工夫が必要なので「朝はビタミンC、夜はレチノール」という言葉が広まったと考えられます。

一方で、サプリメントなどで口から取り入れる場合には、両方を一緒に摂っても問題はなく、むしろ異なる角度から肌を支えてくれる可能性があります。

ここでは、ビタミンCとビタミンA(レチノール、カロテノイド)を「肌に塗る(塗布する)」と「飲む(摂取する)」という2つの方法から整理し、エビデンスを交えてわかりやすく解説していきます。

目次

ビタミンCの美容。肌との関係は?

ビタミンC

ビタミンCといえば、まず思い浮かぶのは「美白」や「シミ対策」でしょう。実際、化粧品に配合されるビタミンCやその誘導体は、メラニンを作り出す酵素の働きを抑えることが知られています。これによってシミやくすみの予防につながり、肌の透明感を保つ効果が期待できるのです。こうした美白作用は、肌に直接塗ったときに特に強く表れます。

しかし、ビタミンCの魅力はそれだけではありません。体の中に取り入れた場合にも大切な役割を果たします。私たちの肌のハリを支えているのは「コラーゲン」ですが、その合成に欠かせないのがビタミンCです。ビタミンCが足りないとコラーゲンの生成がうまく進まず、肌の弾力が失われてしまいます。食事やサプリで摂っても、化粧品で塗ってもコラーゲン合成を助ける働きが期待できます。

また、ビタミンCは強力な抗酸化作用を持つことでも知られています。紫外線やストレスによって発生する「活性酸素」は、肌の老化を加速させる大きな要因ですが、ビタミンCはそれを除去します。この働きは肌にビタミンCを塗っても、ビタミンCを摂取しても得られるため、日常的に取り入れることが老化防止に役立ちます。

レチノール(ビタミンA)の働きとメカニズム

レチノール

一方のビタミンAは、レチノールとカロテノイドという2つの形で存在します。特に「レチノール」は、肌に塗布するとシワの改善や肌のターンオーバー促進、さらにコラーゲン生成効果が臨床的にも確認されている美容成分です。

古い角質を押し出し、肌の生まれ変わりを助けるため、くすみや小じわの改善につながります。さらに、真皮ではコラーゲンやエラスチンの生成を後押しし、ハリや弾力を保つ働きも確認されています。

また、レチノールは体内で「レチノイン酸」に変化し、RAR(レチノイン酸受容体)と結合することで細胞の分化や増殖をコントロールします。この仕組みによって肌の再生が促されるのです。

たとえば、ある研究では、光老化してしまった前腕の皮膚にレチノールを塗布したところ、わずか4週間で皮膚の中からコラーゲンが再生されるという結果が報告されています。これは、塗ることで肌の内側からしっかり働きかけてくれることを示す有力な証拠です。

カロテノイド(プロビタミンA)の働き

カロテノイド

ニンジンやトマトに含まれるカロテノイドは、体内で必要に応じてビタミンAに変換される「プロビタミンA」です。強力な抗酸化作用を持ち、酸化ストレスから肌を守る働きがあります。

経口摂取の場合は、血流を介して体内に取り込まれたカロテノイドが全身に運ばれ、皮膚の表皮から真皮まで広く沈着します。

「ビタ×レチ」併用のポイント

ビタミンCとビタミンAは、それぞれ異なる角度から肌に働きかけるため、うまく組み合わせることで相乗効果が期待できます。ただし、塗る場合と飲む場合では注意点が異なります。

経皮(コスメ)の場合
まず、化粧品として塗る場合です。ビタミンCとレチノールを一緒に使用すると、配合濃度やpHの違いにより刺激が強まる可能性があります。そのため、「朝にビタミンC」「夜にレチノール」と分けて使うのもおすすめです。また、レチノールは紫外線によって分解されやすく光感受性を高めるため、夜に使用するか、日中は日焼け止めとの併用が必須です。

経口摂取(サプリ)の場合
一方で、サプリメントなどで経口摂取する場合には、ビタミンCとビタミンAを同時に摂っても問題はありません。むしろ、ビタミンCは「抗酸化」、ビタミンAは「ターンオーバー促進」と役割が異なるため、バランスよく補うことで肌全体をより効果的にサポートできます。ビタミンCは水溶性で余分なものは尿から排出されてしまうため、こまめに摂ることがポイントです。ビタミンAは脂溶性で摂りすぎに注意が必要ですが、カロテノイド由来であれば安全性が高いので安心です。

まとめ

まとめ

ビタミンCは「抗酸化」、ビタミンAは「ターンオーバー促進」と役割が異なるため、バランスよく補うことで肌全体をより効果的にサポートできます。

自分の生活や肌の悩みに合わせて「外からのスキンケア」と「内からのインナーケア」をうまく組み合わせて補っていきましょう。

「朝はビタミンCのスキンケア、夜はレチノールでじっくりケア。そして日々の食事やサプリで、ビタミンCやカロテノイド由来のビタミンAをバランスよく補う。」そんな習慣が、美しさを叶える近道になるでしょう。

【監修】薬剤師 M

薬剤師資格保有。
大学卒業後、国内外で幅広いブランドを展開する大手化粧品会社に入社。一貫して企画開発部門でキャリアを積み、マネジメントも行う。その後、株式会社メタボリックに転職し、ブランド企画室にて様々な商品を企画開発中。

薬剤師 M

薬剤師 M

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